日本言語学会第166回大会プログラム

日本言語学会第166回大会

期 日:2023年6月17日(土)・18日(日)
会 場:専修大学 神田キャンパス10号館(東京都千代田区)および録画配信

会長:福井 直樹
大会運営委員長:松浦 年男
大会実行委員長:長谷川 宏

大会プログラム(2023.5.8、PDF版)1.6MB 郵送はありません。事前にダウンロードしてください
予稿集目次ページ(2023.6.7)
予稿集一括ダウンロード(2023.6.7)
FAQ(2023.5.31) 

参加方法

口頭発表・ポスター発表・ワークショップに参加する方
事前登録としてPeatixのイベントページからチケットの購入(参加申込・参加費支払い)をお済ませください(特定商取引法に基づく表記はこちら)。

・登録にはPeatixアカウントが必要になります。アカウント作成にはメールアドレスやGoogleアカウントなどが使えます。

・事前登録は,5月8日(月)~6月14日(水)17時です。お早めにご登録ください。

・参加費
  一般会員2,000円
  学生会員1,000円
  一般非会員3,000円
  学生非会員2,000円

・事前登録なしでも大会には参加できますが,円滑な運営のためにも事前登録にご協力ください。

・公開特別シンポジウムにのみ参加する方
・チケットは購入不要(無料)です。直接会場へご来場ください。なお、シンポジウムの様子は後日学会YouTubeチャンネルにて公開する予定です。
・公開特別シンポジウムのみ参加予定で誤ってチケットを購入された方はPeatixヘルプを参照のうえ,手続きされてください。なお今回の返金対応は5月31日(水)までといたします。以後は一切の返金を受け付けないのでご注意ください。

配信の閲覧
・口頭発表・ポスター発表・ワークショップ(W-1は除く)は登録を済ませた方に,大会後1週間程度で配信専用サイトのURLを記したメールを送ります。配信は1週間限定の予定です。
・公開特別シンポジウムは後日学会YouTubeチャンネルにて公開する予定です。

公開特別シンポジウム「言語学から見た子どもの英語習得」(6月18日)
<司会・趣旨説明>
尾島 司郎(早稲田大学)
「自分が英語が苦手なので、子どもには英語を出来るようになって欲しい」と語る日本人の親は多い。多くの人は、子どもの方が言語の習得に有利であり、小さいころから英語学習を始めれば、より高いレベルの英語力を獲得できるのではないかと期待している。今回の公開シンポジウムでは、研究で得られてきたデータを一般の人にも分かり易く紹介し、日本人の子どもの英語習得の本当の姿がどのようなものなのか議論する。具体的には、小学校における英語教育、海外におけるバイリンガル発達、インターナショナルスクール、「おうち英語」などの事例を取り上げ、一般の人からの率直な疑問に答えていきたい。

<登壇者>
「小学生の大規模脳科学研究で見えてきた英語学習開始年齢と接触時間の影響」 尾島 司郎(早稲田大学)
英語圏に移住して何年も生活する場合、幼少期に移住した方が最終的な英語力が高いというデータがある。一方で、日本において英語は外国語であり、早く学び始めたとしても、コンスタントに触れ続けるのが難しいことも多い。この発表では、日本人小学生500人以上を対象に3年間にわたって実施された大規模な研究を紹介し、英語学習の開始年齢やトータルの英語接触時間が小学生の脳反応や英語力にどのように関係するのかを議論する。ここで見えてきたのは、日本で外国語として英語を学ぶ場合、単純に早く始めるほど良いとも言い切れない、学習開始年齢とトータル接触時間の複雑な関係である。

「インターナショナルスクールと『おうち英語』の 学習環境・国語力」 柴田 奈津美(専修大学)
日本において、子どもが高い英語力を身につける事例の1つにインターナショナルスクールに通う子どもたちが挙げられる。このような英語を共通言語とする学校に通う以外に、家庭で英語環境を作り出すことで、高い英語力を身につける子どもたちがいる。この発表では、インターナショナルスクールに通う子どもたちと「おうち英語」で英語を学ぶ子どもたちの学習環境について比較する。また、こういった幼少期から長時間英語に接している子どもたちは、母語である日本語の国語力には影響があるのかについて、実際に行った国語テストの結果を用いて議論する。

「どのくらい流暢に話せるのか?インター・『おうち英語』・大学生を比較して」 三浦 篤史(早稲田大学)
「英語を流暢に話せるようになりたい」という目標を持ち英語学習を進める学習者は多い。さらに、多くの英語検定試験や入学試験でスピーキング問題が導入され始めており、スピーキング能力の向上に社会的関心が集まっている。この発表では、「おうち英語」で英語を学ぶ子ども、インターナショナルスクールに通う子ども、一般的な英語学習を行ってきた大学生の英語スピーキングを比較し、それぞれの学習者にどういった発話の特徴があるのか議論する。また、英語を流暢に話せる学習者はどういった活動を取り入れているのかという点についても議論を進める。

「子どもは英文法知識をどのように習得していくか?(1)—Wh疑問文と関係節に着目して—」 広瀬 友紀(東京大学)
Wh-疑問文や関係節など、文を構成する要素が本来の位置と異なる場所に置かれる構文は、英語初学者にとって直感的に理解しにくいことが多い。そのなかでも目的語要素が移動した文は、主語のそれに比べ、英語母語話者においても獲得に時間がかかり、また成人母語話者にとってもより負荷が高いとされる。本発表では、英語圏の自然な環境で英語習得を開始した年少日本語母語話者に対して数年にわたって縦断的に行ったWh-疑問文と関係節の理解および産出課題の結果を紹介する。またこれら構文について明示的な教示を伴わない条件下での習得過程を長期的に観察した記録も併せて報告し、英語母語話者や、成人第二言語学習者について先行研究で得られている知見と比較する。

「子どもは英文法知識をどのように習得していくか?(2)—複雑な名詞句を使うようになるまで—」 田中 広宣(東京大学)
過去の第二言語習得研究では,学習者はある一定の発達段階をたどりながら文法を習得していくことが明らかにされてきている。本研究では,数ある文法事項の中でも,総合的言語発達を下支えしていると考えられる名詞句の習得に着目する。英語における名詞句は,その特性から多様な構造を持ちうるが,とりわけ関係節による後置修飾を含む名詞句構造は習得が困難であることが広く知られている。本発表では,英語圏の自然な環境で英語習得を開始した日本語を母語とする子ども1名の発話を数年にわたって縦断的に記録したデータを対象に,どのようなプロセスを経て名詞句の習得が進み,関係節を含む複雑な名詞句が産出されるようになるのかを分析した結果を報告する。

手話通訳等の支援:手話通訳や字幕表示の支援を必要とされる方はできるだけ早く学会事務支局(lsj@nacos.com )にお申し出ください。期限は5月19日(金)といたします。

保育室: 「保育室の設置(PDF)」をご確認の上、5月20日(土)までに lsj.childcare@gmail.com にお申し込みください。

F.A.Q.
日本言語学会 第166回大会 よくある問い合わせと回答

Q1. 学会に参加したいのですが、参加登録の方法が分かりません。

A1. 学会に参加するには事前登録を推奨しています。2023年6月14日17時までにPeatixhttps://lsj166.peatix.com)にて事前登録を済ませてください。

Q2. 事前登録をするのを忘れたのですが、当日参加登録することは可能ですか。

A2. 事前登録を推奨していますが、当日大会受付での参加登録も可能です。

Q3. 学会にオンラインで参加することはできますか。

A3.オンラインでリアルタイムの参加はできませんが、口頭発表およびワークショップの録画およびポスター発表のファイルを,大会後の一定期間,参加登録をされた方にのみ公開します。

Q4. 公開シンポジウムのみの参加希望であっても、参加登録は必要ですか。

A4. 参加登録は必要ありません。また大会後に録画をYouTubeにて公開します。

Q5. 公開シンポジウムで参加者が質問することは可能ですか。

A5. 可能です。

Q6. 公開シンポジウムの内容は、予稿集に掲載されますか。

A6. 予稿集には発表要旨のみが掲載されます。