『言語研究』146号特集論文募集

『言語研究』146 号(2014年9月刊行予定)では「アジア・アフリカの手話」を特集することになりました。論文あるいはフォーラムの原稿を募集します。締め切りは2014年2月28日です。
 言語学はこれまで,音声や文字を媒体とする個別言語を観察することにより,記述的にも理論的にも多くの成果をあげてきました。しかし近年,手指をはじめとして,表情や体の向き・態勢なども含む,身体の形と動作を媒体にした言語である手話の研究が,音声言語や文字言語の研究では見逃されてきた言語の側面を明らかにしつつあります。その結果,言語研究における手話研究の意義は,すでに十分に認識されていると思われますが,研究対象となる手話は,アメリカ手話,イギリス手話,ドイツ手話など,北アメリカや西ヨーロッパのわずかな言語に限られているのが現状です。さまざまな個別言語が記述され,言語間に見られるバリエーションが,言語類型論は言うに及ばず,それ以外の言語学の分野の発展にも大きく貢献してきたことは,音声言語や文字言語の研究からすでに明らかです。手話言語についても,多様な個別言語に関する知見が共有されることが,今後手話研究が言語学にさらに貢献するために必要であると考えられます。
 そこで本特集では,比較的研究の少ないアジア・アフリカ地域で話されている手話に係わる記述的,理論的研究を募集します。なお,今回の特集では,アジアに太平洋地域と中東を含めることにします。多くの投稿をお待ちしています。

日本言語学会編集委員会