特集論文の募集

『言語研究』第170号特集論文の募集

『言語研究』第170号(2026年7月刊行予定)では、「通言語的に見た文法カテゴリと言語単位」というテーマで特集論文を募集します。

言語を分析する際に危惧されることに、分析対象あるいは分析手段として用いる「文法カテゴリ」が標準ヨーロッパ語 (SAE: Standard Average European) の影響を強く受けていないかということがあります。見方を変えると、既知の文法観が言語記述や言語分析の際にバイアスとして働きかねない点が言語研究の最も難しいところの1つです。これに対しかつては能格性や複統合的 (polysynthetic) な言語の研究が言語研究に新しい視点をもたらし,近年でもAikhenvald (2003) や Shibatani (2019) らの名詞に関する研究が高く評価されています。すなわち従来文法カテゴリとしては全く別のものとして記述・分析されがちであった文法的性、名詞クラスそして類別詞に関して通言語的考察を行い、それらが統一的な現象の段階的な差として分析できる可能性を示唆したことがその後の研究に大きな刺激となり、現在も大きな議論を引き起こしています。

このような点を踏まえて本特集号では、文法カテゴリや言語単位の分析・分類に興味深い新たな視点を提供してくれる通言語的な論考を募集いたします。具体的には、格、ヴォイス、テンス、アスペクト、ムードのような範疇における形態統語的な現象から、語(接語)、節、文といった基本的な言語単位の認定のあり方なども含めます。文法カテゴリや言語単位に関する新たな知見の報告は、一般言語学や言語類型論に寄与するだけでなく、すでに十分な研究の蓄積のある個別言語の分析にも再考を迫る可能性を持ち、理論的研究にも影響を与えうるものです。単に個別的事象の報告に留まらずに通言語的にも大きな意義を持つような研究を歓迎します。

原稿締め切りは2025年8月31日です。投稿方法は一般論文と同じですが(詳細は学会ホームページを参照)、投稿・査読システムEditorial Manager上の「セクション/カテゴリー」の項目で、「特集 special feature article」を選択して下さい。

執筆要項(抜粋)および投稿・審査システムについて
日本言語学会編集委員会

『言語研究』第168号特集論文の募集

『言語研究』第168号(2025年7月刊行予定)では、「世界の言語音の多様性」というテーマで特集論文を募集します。

音声学・音韻論の研究手法は技術革新とともに目覚ましい進歩を遂げています。実験室における新しい音声観察技術、大規模データの分析、過去の音声データの発掘的調査、フィールド言語学的ツール開発などにより、新たな研究が日々発展しています。少数言語をはじめとする、これまで記述が不十分だった多くの個別言語や言語群についても、精度の高い観察・記述の蓄積とその共有は近年著しい拡大を見せています。この動向は言語音の多様性の探究や類型論的研究の基盤を充実させています。

第168号の特集論文では、音韻類型論および音声類型論への貢献を目指します。世界規模の広域類型論・地域類型論・系統内類型論に関連する議論、個別言語の考察から類型論的な議論への発展、言語音の多様性に関わる希少な特徴についての新知見、これまで知られていなかった音声特徴や音韻特徴に関する知見の提示といった多様な投稿を歓迎します。


原稿締め切りは2024年8月31日です。投稿方法は一般論文と同じですが(詳細は学会ホームページを参照)、投稿・査読システムEditorial Manager上の「セクション/カテゴリー」の項目で、「特集 special feature article」を選択して下さい。

執筆要項(抜粋)および投稿・審査システムについて
日本言語学会編集委員会

『言語研究』第166号特集論文の募集

『言語研究』第166号(2024年7月刊行予定)では、「認知言語学の現在地と今後の展望」というテーマで特集論文を募集します。
1980年代から言語理論の一つの潮流をなすようになった認知言語学では、20世紀末までに認知文法、構文文法、フレーム意味論、概念メタファー論、メンタル・スペース/ブレンディング論などの理論的枠組みが続々と提案され、様々な言語現象が記述されてきました。しかし、21世紀に入ってからは、新たな理論的枠組みの提案は鳴りをひそめ、安定期(停滞期?)に入っているようにも見えます。第166号では、認知言語学の現在地の再認識と今後の展開や展望を踏まえた、新しい発想や視点の特集論文を募集します。新たな方法論の提示、これまでにない学際的研究など、認知言語学の現在地・可能性を問う論文を歓迎します。
原稿締め切りは2023年8月31日です。投稿方法は一般論文と同じですが(詳細は学会ホームページを参照)、投稿・査読システムEditorial Manager上の「セクション/カテゴリー」の項目で、「特集 special feature article」を選択して下さい。

執筆要項(抜粋)および投稿・審査システムについて
日本言語学会編集委員会

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