濱田 武志 氏
「『文海』の「偽平声」から見る西夏語音韻学の複層性―西夏文字の字音推定の限界の所在について―」、『言語研究』165 号、pp. 59–84 (2024年1月) [本文PDF]
濱田論文は,西夏語韻書における「偽平声」に着目し綿密な調査分析を行い,西夏語音韻学,漢語音韻学の先行研究を丁寧に検討し,文献言語学にとどまらず言語一般の音韻分析にも大きな示唆を与えうる研究である.当時の西夏人が受容した音韻学が,伝統的な古音学を基礎とし近代的学問の手法を受容し生まれた音韻学と一致しない可能性を念頭に,堅実にデータを掘り下げた秀逸な論考となっている.
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大竹 昌巳 氏
「契丹語の音調」、『言語研究』165 号、pp.85–110 (2024年1月) [本文PDF]
大竹論文は,契丹語の音調実現について,遼代漢語との対音資料に基づく実証的な調査分析を行い,契丹語の音調および遼代漢語の音調研究に大きな寄与をしうる研究である.過去の言語の音調を,制約のある資料から推察するのは困難なのが一般的だが,著者は契丹小字・漢字とそれらの表記を非常に綿密に調査・研究し,契丹語の音調の一端を提示することに成功したと評価できる.いずれも記述的にも理論的にも言語学上の貢献が大きい論文と認められ,日本言語学会論文賞授賞論文にふさわしいと判断する.
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コンテンツ
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