2018年度の論文賞(1件)

POPPE, Clemens氏

“Iambic Feet in Japanese: Evidence from the Maisaka Dialect”『言語研究』150号(2016年9月)

 本論文は、韻脚を導入することにより舞阪方言におけるアクセントの体系的空白とアクセント交替を体系的かつ簡潔に分析することに成功している。弱強格が基本的な方言で強弱格が派生することについてもNon Finalityという一般性のある制約によって説明することに成功している。琉球語諸方言に関しては韻脚を用いた分析がすでに提案されているが、韻脚の概念が本土方言の分析に有効であることを示したことには新規性があり、今後の記述研究にもインパクトを持つものと考えられる。優れた分析と発展性から本論文を日本言語学会論文賞に推薦する。