日本言語学会学会賞

日本言語学会では、学会の研究活動の一層の向上・充実を目的とし、若手会員に主眼を置いて、優れた研究を顕彰するために、
論文賞大会発表賞の2つの賞を創設いたしました。優れた研究論文や研究発表がますます活発に投稿・応募されることを期待しております。
なお、直近の受賞者は以下の通りです。

  • 2025年度の論文賞(1件) [詳細はこちら]
    • 平子 達也 氏「出雲仁多方言における母音をめぐる音変化」
  • 第170回(2025年春季,明海大学)大会の大会発表賞(1件) [詳細はこちら]
    • 廣澤 尚之 氏「宮崎県椎葉村尾前⽅⾔における複雑述語の段階性」

過去の受賞者については本ページ下部のリンクよりご覧ください。

○日本言語学会論文賞 (2011年度より実施)

過去2年度(4号分)の『言語研究』に掲載された「論文」の中から、特に優れた論文に対して授与されます(賞状および副賞賞金)。(毎年1件。最大2件)(「日本言語学会論文賞」規程 )

2025年度の論文賞(1件)

平子 達也 氏

「出雲仁多方言における母音をめぐる音変化」、『言語研究』165 号、pp. 1–32 (2024年1月) [本文PDF]

 平子氏は、自ら収集した出雲仁多方言の語彙と古代日本語との音対応に基づき、この方言に起きた狭母音と半狭母音を中心とした複雑な音変化の相対年代を推定することに成功している。その推定は、借用などによる例外的な音形にも十分配慮した周到なものとなっている。その上で、当方言に、中央語に起こった *o>u という狭母音化を経ていないと解釈できる「薬」「印」「裾」の3語があることを示し、これらの方言形に日本祖語の母音の痕跡が保持されている可能性を指摘した。 中央語と琉球諸語を重視してきた日本祖語再建に本土の周辺方言を活用する例を方法論とともに提示している点で日本語音韻史および比較方言学上の価値が高く、日本言語学会論文賞にふさわしい論文と判断する。

○日本言語学会大会発表賞 (2011年秋季大会(第143回大会)より実施)

大会における優れた口頭発表・ポスター発表に対して授与されます(賞状および副賞賞金)。(毎回数件)(「日本言語学会大会発表賞」規程 )

第170回(2025年春季,明海大学)大会の大会発表賞(1件)

廣澤 尚之 氏

「宮崎県椎葉村尾前⽅⾔における複雑述語の段階性」

 本発表は、当該方言における複雑述語の構造について、既存の研究の通⾔語的観点及び韻律特徴を利用しつつ考察するものである。新規性についての批判があったものの論証は妥当であり、他の日琉諸変種にも適用できる主張の発展性や、データに基づき枠組み自体を改善する提案が評価され、発表・質疑応答の様子にわたる全般に高評価を得た。


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